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  3. Plasticity and Civil Disobedience

展覧会について

ABOUT THE EXHIBITION

「Plasticity:可塑性」の語源(ギリシャ語の「plassein」)は、彫塑など造形美術とその素材、すなわち「形を与える」能力と「形を受け取る」能力の二つの意味を持つ。脳神経科学では、神経機構の成長・調節・修復のプロセスに於いて、この「可塑性」という言葉が充てられており、状況に応じて自らの回路をたえず再構築してゆく柔軟な生存システムをさす。しかし「形を受け取る」と同時に「形を与える」能力が行使される背後には、第三の能力、構成された形にたいする不服従、フォルムの消滅としての「プラスティック爆弾」が作動していることを忘れてはならない。「しなやかさ」の感性とも捉えられる可塑性は、その中に秘められた堅さ・抵抗力がなければ容易に、卑劣な修正主義に転じてしまう。本展覧会に於いては、「形を与える能力」としての従来の造形美術表現には、収まらない系(法とゴミ、ジェンダー、自閉症、街の道具など)「排除されたものからの抵抗」という逃げ場のない場所にとどまりながら、そこを支点に硬直したプロパガンダでも日和見主義でもない新たな表現の可能性と関係性の再構築による共感の設計をめざす試みを紹介します。

■作品と作家紹介

土谷びわ
京都市立芸術大学美術学部美術科構想設計専攻卒
京都市立芸術大学大学院造形構想専攻1回生

「彼女の城」
今年19歳になる妹は、小学校卒業以来家族以外の人間とはほとんど関わりを持てていない。母と彼女の暮らす部屋は、彼女たちが長い年月をかけて選び抜いた物たちでつくられた唯一の、安心の世界である。

「他人の窓」
私は、窓から漏れ垣間見える人々の生活に、幼少期得られなかったと錯覚している安堵に、羨望を覚え、決して触れる事の出来ない他人の窓の中へ幸福を見出したあの時代を追憶する。わたしたち姉妹が求め続けた安らぎとはいったい何処にあるのだろうか。

村上泰介
愛知産業大学デザイン学科講師、
京都市立芸術大学大学院博士課程メディアアート専攻在学

「Multi Modal Ring ~感覚の木~」
自己と環境の関係を複合的な感覚を通して知覚する場を構築する。身体の運動を通して展示空間に実現している環境に働きかけることで、触覚、聴覚、視覚などを通した経験が動的に生成され、自己と環境が時間、空間に対して相補的であるような状況認知が実現される。身体内外からの感覚、知覚の統合を解きほぐすためのエクササイズ。

「The Enhanced Ears ~共感の設計ワークショップ~」
近年発見されたミラーニューロンという脳内の仕組みは、他者を感覚で捉えると、その動きが自分の運動として捉える仕組みで、無意識のうちに働いているそうである。感覚と運動をつなぐこのニューロンが、自己と他者を認識する発達過程にも影響を及ぼしているかもしれないという研究もある。このワークショップは、視覚で捉えた他者の身体像と聴覚で捉えたそれが異なることで感覚の統合プロセスを通常と異なる状況に置き、自他の身体への意識を解きほぐしていく遊びの場である。

松井茜
京都市立芸術大学美術学部美術科構想設計専攻卒
京都市立芸術大学大学院造形構想専攻1回生

「威」
ゴミを集める人、ゴミを捨てる人、ゴミという名前がついてはいますが、私にとって価値
の無いものなだけです。私の手を離れた瞬間から私のものではないはず。誰のものでも無
い筈のものが、いつのまにか条例という他人が決めたもので他の誰の手にも触れないうち
に誰かのものになる。ゴミがまた誰のものでもないところに行けるようにしたい。
誰かのものになることをリセットする装置。
威とは武器を持って弱者をおびえさせる意があります。

日名舞子
京都市立芸術大学美術学部美術科構想設計専攻卒
京都市立芸術大学大学院造形構想専攻1回生

タイトル:「トイレのさしすせそ」
トイレに入るとき、あなたは何をみて入るトイレを選んでいますか?
多くの場合は、色や形やことばで印された(記された)性別を表すマークを
みていることでしょう。
そしてそのマークの重要さは、あなたが急いでトイレに駆け込むときや、
言葉のわからない国で顕著に感じられます。
では、なぜトイレが性別によって分けられているのか?
という問いをたてることは、ここでは短絡的に身体的な性差を理由と考える事ではなく、
社会的な性差に基づく権力関係を原因とする問題やセクシャリティについて
考えるきっかけとすることです。
”なぜトイレが性別によって分けられているのでしょうか?”

米子匡司
音楽家

「街の道具」
自動販売機や電光掲示板などの街の道具を、誰でも扱う事ができるための実例とコンセプトの展示です。
それを通して、意を達したり、人と衝突せずに人と伝達・共存ができる各種の街の道具はすごく便利なのですが、公共空間の道具は多くの場合どこかからもたらされるもので、なかなか個人が自ら設置できるものではありません。
街のシステムがもう少し開かれている方が、日々を過ごしやすい気がして、自動販売機はそのための試みとしてのものです。現在流通している自動販売機は企業向けのプロダクトで個人は買いにくいか、買えたとしても高いですから、安く作れる設計図も添付します。

■関連事業
・12/23(金)14:00-
ワークショップ:「あきかんのだて」
企画:松井茜
ゆるゆるお話しながらたまにはのんびりお茶でも飲みましょう。
会場:@KCUA

・12/22(木) 17:00-19:30
「お話の時間『らくがきおばさんからのプレゼント』〜いっしょに居ること、続けること〜」
企画:日名舞子 話し手:能勢伸子、田中玲、日名舞子
ふたりの話し手から語られる”経験からのお話”を受け取る時間です。
能勢伸子さんに「らくがきおばさん」という子供たちのためのらくがきの時間をもうける取り組みについてお話していただく。いっしょにお話してくださる方にライターの田中玲さんを招いて、ふたりのサバイバーとしての経験からの話もうかがう。

(ゲスト)
能勢伸子
らくがきおばさんというお絵かきイベントを阪神淡路大震災の時から継続。今は神戸大の施設のびやかスペースあ~ちなどで開催。あ~ちは子育てと障害者支援の場所なので重度の障害者の子たちも多数。能勢さんのポリシーは「教えないこと」。だからこそ自由な発想で素敵な作品がたくさん。また能勢さんは元夫からのドメスティックバイオレンスのサバイバーであり、その経験が子どもたちの立場に立った優しい対応にも活かされている。

田中玲
FTM(female to man)系のジェンダークィア。小さな頃から性別二元制違和があり、小学生でインターセックスの漫画を読んで自分はそうだと確信。でも、初潮が来て幻想は崩れ去る。二十代でMTFTS(男→女の性転換者)でレズビアンの麻姑仙女さん、MTFTX24時間男装のゲイのKENNさんと出会い、影響を受け、男性ホルモン投与を開始。けれど、同居していた恋人から身体的暴力と性暴力にあい、その外傷が原因でクモ膜下出血と脳梗塞、水頭症で倒れる。『トランスジェンダー・フェミニズム』著者。

会場:SOZO CAFE (http://www.sozo-kyoto.info/access/)*会場は@KCUAではありませんのでご注意ください。

・12/23(金)15:00-16:00、12/24(土)13:00-14:00、15:00-16:00
ワークショップ:「電気耳 The enhanced ears(電気で動く、いろいろな耳で、あそんでみよう。)〜共感の設計ワークショップシリーズ〜」
企画:村上泰介
電子的に制御された特殊な耳型の装置を使って、自己と他者の関係を解きほぐす遊びです。
会場:@KCUA2F吹き抜け・南側ラウンジ

Artists:Tsuchiya Biwa/ Hina Maiko/ Matsui Akane/ Murakami Taisuke/ Yonako Kyoji

会場/展示室
@KCUA 2, Gallery A,B,C
日時
2011年12月15日(木) - 12月25日(日)
11:00〜19:00(最終入場18:45まで)
休館日
月曜
観覧料/参加費
無料
企画
京都市立芸術大学美術学部構想設計高橋研究室
主催
京都市立芸術大学
お問い合わせ
@KCUA TEL: 075-253-1509 MAIL: gallery@kcua.ac.jp
Venue(s)/Room(s)
@KCUA 2, Gallery A,B,C
Date(s)
December 15 -25, 2011
11:00~19:00(The last admission to the gallery is at 18:45 )
Closed on
Monday
Admission/Cost
Free
Curated/planned by
yoto City University of Arts/Conceptual and Media Art,Kyoto City University of Arts
Organized by
Kyoto City University of Arts
Contact
@KCUA – Phone: +81-75-253-1509 / E-mail: gallery@kcua.ac.jp