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KCUA EXHIBITIONS

京都市立芸術大学退任記念展

堀口豊太「日本という場所」

環境デザインは、自分をめぐる環境というものを意識し、それをみなのためにどうすれば良くできるのか、という問題について考え作案する領域です。備品、家具、内装、外装、建築、外構、造園、都市、田園、自然などと、規模や範囲は異なっても、それは最終的には公益に向けて個人がどのように貢献できるのか、とい ったことを探るのを目指しています。それは可能世界に目を向けるものです。 それに対して、写真という芸術は、現実世界に目を向けるものです。此処にこういう物がある、此処にこういう場所がある、ということ自体の不思議と面白さを見せてくれます。世の中を良くしようなどという公益の目的をもたず、私たちが何を見ているのか──より的確にいえば、何を見ているようで見ていないのかを示してくれます。興味のないものですら興味深く見せてくれます。 この二つの相反する領域の間を行ったり来たりすることによって、その緊張関係の中から、それぞれの意味が私にとってより明らかになりました。日本という場所がもつ問題も面白さもより明らかになりました。 今回の展覧会を通し、その過程の一部を少しでもみなさまと共有できればと思っています。

堀口豊太

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作家
堀口豊太(京都市立芸術大学美術学部環境デザイン専攻教授)
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
@KCUA 1, 2
開催日数
14日間
(2021年3月27日(土)2021年4月11日(日))
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Artist Profiles

作家プロフィール

堀口豊太(ほりぐち・とよた)
1955年 東京都生まれ
1979年 イェール大学 Bachelor of Arts
1981年 イェール大学 Master of Architecture
1995年から 京都市立芸術大学美術学部常勤教員
スタジオ80、エスディーエー環境研究所等を経て、京都市立芸術大学に勤務。国内外の大規模開発、林地開発、駅前広場、ショッピング・センター、集合住宅、オフィス、展示場、ホテル、会議場、医院、店舗、飲食店、遊戯場、住宅、別荘等に関わる。担当したのは地域計画、建築計画、外構計画、建築設計、内装設計、造作家具設計等。その傍ら写真、挿絵、装幀なども手掛ける。