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KCUA OPEN CALL EXHIBITIONS

2024年度申請展

平野 愛 写真展「moving days in KCUA」

平野愛さんは人生の節目に訪れる「引っ越し」という祝祭/儀式を、そのストーリーを綴ったテキストと、繊細な色合いのフィルム写真で捉える「moving days」シリーズを展開している京都生まれの写真家です。
同シリーズは2023年に誠光社から書籍が刊行され、これを機に平野さんのもとには多くの引っ越し写真撮影の依頼が舞い込みました。その中の一つであった京都芸大の引っ越しという大規模なプロジェクトでは、当初は、どこから手をつけて良いかもわかないほどに雑多な人種の異質な要素が詰まった空間に困惑したそうです。しかし、多くの引っ越しに立ち合い、撮影してきた平野さんならではの感度で、パワーの集う場所をかぎ分けながら、学生や教職員が眺めたであろう風景や使用されたものの痕跡などがフィルムカメラで次第に切りとられていきました。
「引っ越しには人や場所の自然体の本質が見えてくる。その人が何を大切にしているのか、その場所が本来持っていた姿が現れてくる。引っ越し写真を見直しているとそれが「はじまり」の場面なのか「おわり」なのかわからなくなる瞬間がある」と平野さんは話します。だとすれば、京都芸大の引っ越し写真にも学生や教職員が大切にしてきたもの、築きあげてきたものの本質と未来が写っているのかもしれません。

(テキスト:谷本天志)


関連イベント

「沓掛 1980–2023」プロジェクトアーカイブ展

会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA 2F
共催:京都市立芸術大学「沓掛 1980―2023」プロジェクト+芸術資源研究センター

本学に関わる方々が撮影した沓掛キャンパスの写真を集めて「個々人の記憶の集合体」をつくるデジタルアーカイブのプロジェクト等を紹介しました。

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作家
平野 愛
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
会期
2024年6月29日(土)2024年8月4日(日)
主催
京都市立芸術大学(2024年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画
谷本天志(本学美術学部油画専攻特任教授)
企画調整
𡌶 美智子(本学芸術資源研究センター非常勤研究員)
制作補助
天羽生悠矢(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程)
協力
株式会社フォトアンドカラーズ
誠光社
京都大学写真部
京都市立芸術大学「沓掛1980–2023」プロジェクト+芸術資源研究センター
お問い
合わせ

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。

Artist Profiles

作家プロフィール

平野 愛(ひらの・あい)
写真家。1978 年京都市中京区出身。御所南で築100 年の洋風町家で育つ。自然光とフィルム写真にこだわったフォトカンパニー[写真と色々]共同設立。新作引っ越し写真集『moving days』(2023)を誠光社より刊行。他にUR 都市機構カリグラシウェブマガジン「OURS.」「うちまちだんち」企画・運営・撮影(2015-)。無印良品堺北花田& 京都山科つながる市プロジェクトコンセプトフォト(2018-)、NHK 土曜ドラマ「心の傷を癒すということ」・NHK 連続テレビ小説「おちょやん」「カムカムエヴリバディ」劇中写真担当(2020-2022)、現在は阪神・淡路大震災30 年の節目となる2025 年に公開を目指した映画『港に灯がともる』制作チームにて活動中。家と暮らしの物語を追い続けている。
Instagram: @photo.and.colors