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TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学
プログラムB「共にいること──経験の共有」

川田淳『夏休みの記録』上映会
  • 2025年12月12日(金) 18:0020:00
  • 京都市立芸術大学
  • 講義室 1

「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」プログラムB「共にいること──経験の共有」の公開講座として、クルド人の子どもたちと母親たちとのひと夏の日々の記録である映画『夏休みの記録』の上映会を、同映画の監督である川田淳をゲスト講師として実施いたします。

ゲスト:川田淳(『夏休みの記録』監督)
聞き手: 
居原田遥(インディペンデントキュレーター/京都芸術大学大学院芸術専攻講師)
田中功起(アーティスト/京都市立芸術大学美術学部構想設計専攻准教授)


川田淳(かわだ・じゅん)
1983年埼玉県生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。沖縄で戦没者の遺骨を掘り続ける男性の手伝いをしながら、遺留品の遺族を探し求める作品『終わらない過去』、中国と沖縄で戦争体験をした元日本兵の証言を記録した作品『生き残る』、ハンセン病回復者の方と追い出された故郷や隔離されていた施設を共に訪れ、その記憶を辿った『石山さん』などを制作。今までに美術館や映画祭などで作品を発表している。


映画『夏休みの記録』について
隣り合って生きるとは⸻​学習支援を通じた交流の記録

埼玉県川口市周辺にはクルド人の人々が暮らし、大半は難民認定申請者である。多くの家庭では父親が解体業に従事し、母親が家事と育児を担っている。父親は仕事で日本語を覚えるが、読み書きをできる人は少ない。母親は日本語を学ぶ機会がほとんどなく、話すことができない人も多い。子どもたちは言語の違いから学校の勉強についていくのが困難になっているケースも少なくない。両親は日本語の読み書きが不十分なため、子どもの勉強のサポートが難しく、文化の違いや言葉の壁から地域では摩擦や分断が生じている。
近年様々なメディアで「難民」や「仮放免者」として在日クルド人の存在が伝えられている。他方で彼らを「難民ではない」とする声もある。しかし「難民」や「仮放免者」であるかないかに関わらず、彼らは今すでに同じ街に暮らしている。その彼らと私たちはどのように向き合えばいいのだろうか。
川田は2019年から近所に暮らす在日クルド人たちの家を訪問し、日本語学習支援などを通じて交流してきた。文化や慣習の違いに戸惑うこともあったが、その“違い”こそが交流の原点となってきた。日本語を勉強しながらたわいもない会話を交わし、共に過ごす―そんな日々の中にこそ、コミュニティの可能性を見出すことはできないだろうか。
本作『夏休みの記録』は川田と同じマンションに暮らすクルド人姉弟が夏休みの宿題をする様子と、母親たちが日本語を勉強する姿を記録したものである。それはメディアで報じられる悲劇的な「難民」や「仮放免者」でもなく、SNSで語られる暴力的な「クルド人」でもなく、目の前の「隣人」として出会った彼らの姿である。

『夏休みの記録』
2025年/日本/95分 
監督・撮影・編集:川田淳
クルド語・トルコ語翻訳:チャチャン・デリル 
字幕監修:タス・ハサン 
整音:藤口諒太 
協力:川田愛子


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言語
日本語 (他言語への通訳なし)
参加費
無料
申込
要申込
申込フォームにて12月10日(水)17:00までにお申込みください。
主催
京都市立芸術大学
助成
令和7年度 大学における芸術家等育成事業
お問い
合わせ

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。

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