20220124_影響とインスピレーションの速度の違い

思いつきとか気づきは朝やってくることが多い。
ということなんですけどね。

「とうもろこしの桂剥きを食った経験」と
「橙(だいだい)の種をさささって
取ってしまう方法」に関して熱く書いたあと、
わたしの脳はちょっと興奮していたと思う。
一晩かけて冷めたのだろうか。翌朝起きてみると、
お忘れですか?と控えめに問う
か細いひとつの声と、
威勢の良いもうひとつの声を聞いた。

か細い声
どうも「リンゴの輪切り」です。
ちょっと前にお目にかかりましたが
覚えてらっしゃいますか?
ほらあなたのお友達の家のキッチンで
お会いしたじゃないですか?
「へー珍しいですねぇ」なんて
おっしゃっていただいて。
わたしもちょっと鼻がたかかったんですよぉ。
わたし
あぁ、その際はどうも。もちろん覚えてますよ。
(いま思い出した!)
いやぁ、リンゴっていうのはてっきりこう
ウサギにしたり、まるかじったり、
そういうなんていうか立体的なね食べ方っていうのかなぁ
なんかそういうもんだと思ってましたからね。
あなた様のように輪切りになった平たいリンゴって
はじめてでしたもんで。
なんだか楽しい心持ちになりました。
か細い声(aka リンゴの輪切り)
えぇ、えぇ、わかりますよ。
私も実はいろいろな輪切りをやらせてもらってまして。
これまでは主に人参だとか、えぇ、時々ナス?なんかもねぇ。
でもそう言うのは普通って言ったらなんですが
面白みがそこまでないんです。それで、ここ最近わりと
リンゴっていうのがあって、喜んでやってるんです。
なんでもネットでバズった?とかで。
なんにしても私も気に入ってましてね。
なんていうか意外性?ギャップってほらいいじゃないですか、
え!リンゴが!輪切り!ってねぇ。笑
わたし
はぁ、そういうことですか。ですがね。
あなたのその素晴らしいところって言っちゃあなんですが、
そのタネがほらスパスパってとれるところ?あれが素晴らしい。
わたしはだいたい無駄に食べ物を捨てるってこと
これが嫌いなもんですから。
輪切りにすると一番捨てるところが少なくていいんだよ、
って友人が言うもんですから、感心しておりました。
か細い声(aka リンゴの輪切り)
えぇ、えぇ、みなさんそこをとっても褒めてくださいます。
私としてももちろんその点、栄養をねまるまる頂いてもらうこと
これが嬉しいもんですから、えぇ、良いなぁと思っております。
威勢の良い声
お取り込み中失礼しますよ。
わたし
あぁ!どうもいつもお世話になってます!港のすぐ脇の!
威勢の良い声
そうそう、いつもの港のすぐ脇の、
魚屋の三枚おろしです、鯖の。
わたし
いつも見事だなーって思って見させて頂いてます。
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
そうでしょう?熱い視線っていうのかな、感じますよ。笑
それでね、ちょっと気になってね、おたくがね、
リンゴの輪切りってのは食べ物を無駄にすることが少なくて良い
っていうようなことをおっしゃってたもんですから。
種だけをとってってね。わかるんですけどね、
三枚おろしってのはちょっと違う観点っていうのがあるんでね。
わたし
はぁ。違う観点ですか。
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
いや、たしかにね食べ物を粗末にしちゃあいけない。
ただね三枚おろしってのは要は手際なんですよ。
ささっとやってなるべくネタをね手で触りすぎない
これも大事なんですよ。
だからつめたーい水であらかじめ冷やしたりするでしょ?
魚屋なんで手袋してたりもしますけど、
あれもね衛生面ってだけじゃなくて、
人間の体温なんてのは魚にしてみたら
烈火のごとく熱い炭みたいなもんですから人肌で言うと。
味も変わってしまいますから。そういうのも考えてるんですよ。
わたし
そうなんですか!
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
だからね、私が言いたいのはね。大事にするって言ってもね、
そのやり方ってのもいろいろあるってことなんですよ。
さささってやってしまうことでね、
捨ててしまうところはあるんです。一見するとさ
「あぁ、あそこの脂身食べれるのに」とかってのは思うでしょ?
わたし
(めちゃくちゃ思ってた!)
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
ただね、あそこで、ちまちまと骨をとってごらんなさい、
まな板に載せてる時間がながくなっちゃう鮮度がおちます。
魚屋から買った魚を運んでまたおたくの台所でも
まな板に乗るわけだから。さらに長い時間経っちゃうじゃない。
つまり台無しっていのはそういうことですよ。
細かいところに手をかけすぎて、全体を無駄に、
ってのは言い過ぎかもしれないけどね、
でも全体のクオリティーが下がっちゃう。
鮮度が命だから魚ってのは。
わたし
ほぉー!そういうスピード感だったんですね。
それでささっとやってぱーんと袋につめて氷水で、どうぞ!って。
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
わかってもらえます?三枚おろし、鯖の、
なんていうのはそういう気持ちなんですよ。
わたし
そうでしたかー。もったいないの観点違いかぁー。
それに出たアラはアラでいただけばいいですもんね。
出汁にする、とかでね。
威勢の良い声(aka 魚屋の三枚おろしです、鯖の。)
そうですね言ってもらえれば別の袋にいれてお渡しをしてますよ。

威勢の良い声で魚屋の三枚おろしです、鯖の。が、そう言い残すが早いか、
ふたつの声(あるいはそれは一つであったのかもしれない・・・)は
それぞれの彼方に消えていった・・・

って、いったいなんの話?って?
これは、つまり影響とインスピレーションの速度の違いについての話?
なんですよ。
しかもアーカイヴにも絡んでて

そっちの大きな空間の方で「とうもろこしの桂剥きにしたものを食った経験が
橙(だいだい)の種をさささって取ってしまう方法を生んだ」ということを
別のファイルが(ビートに乗せて)謳わせていただいてますが、
それってね、ちょっと片手落ちって言うか、
本当はもっといろいろあってそうなったって言う、
当たり前っちゃあ当たり前のことを言いたいんです。

インスピレーションとしての「とうもろこしの桂剥きを食った経験」
的な何かが「橙(だいだい)以下省略」的な発想の転換の瞬間には
必要不可欠だったわけなんですが、それだけではない。
もっと言うと、おそらくお気付きの方も多くおられたかと思いますが、
決定的なことでもありますがね「とうもろこし以下省略」の場合は
皮というか、桂剥かれた外側が食べるところ・・・
で「橙(だいだい)以下省略」の場合は桂剥かれた中側を食べる
んですよ、だからどうした?ってことじゃなくて、
これは「とうもろこし以下省略」に内在する画期性の1面のみ、
意外なものを桂剥く=還元して言うなら、何かを意外なやり方で処理する
のみを「橙(だいだい)以下省略」は周到しているわけです。
逆に言うと「橙(だいだい)以下省略」は「とうもろこし以下省略」の
ある一面のみをピックアップしているにすぎない。というわけ。

何かに関して全部を一気に言う事とか無理何で、
やっぱり、こうして言及している何かに自分なりの真実を感じつつも、
何かしら(以上の結構大事そうな何か)が欠落している・・・とも思う

リアル。

そんなもやもやの中で「リンゴの輪切り」(を食った経験)だとか
「魚屋の三枚おろしです、鯖の。」(を見続け、食ってきた経験)みたいなものが、

比較的、slowlyに、

あぁそういえばこんなことも影響しているに違いない、
あぁそういえばあんなことも影響しているに違いない、
あぁそういえばこんなことも影響しているに違いない、
あぁそういえばあんなことも影響しているに違いない、
あぁそういえばこんなことも影響しているに違いない、

と、複数形でリマインドされた、というわけ。

つまりもっとある、

なんならこれまで生きてきた経験の全てなのだから・・・

でね・・・

あっち側で、学ぶとはそういうことだろうか?的な問いかけをいたしましたけどね、

いやもっと言って良いと思って。

これ、もう「生きる」でしょ?ね?どう思います?

生きる。

そういう映画あったな、とかはいいんですけど。

「橙(だいだい)以下省略」に現れた何か、
この場合は「とうもろこし以下省略」に代表される
「何かしらを剥く方法」という
無形文化的なもの、が

「わたしは生きてきた」のひとつの発露であって、

芋づる式に、あるいは、原形追跡不可能なレベルで
あれやこれやの経験などが、一体化し、混在している、

リアル。

いやこれもう、当たり前なんですけどね、でも何かひっかかるんですよ、
もうちょっと掘り下げたら何かありそうなのになーっていう
そういうときあるじゃないですか?

そういうやつです、いま。

それで、何が言いたいかというと・・・

影響とインスピレーションの速度の違いっていうか・・・

そもそも影響もインスピレーションも受けてありきなので、
そこもまた考えに含めないといけないんですよね。
何かを残すときに、それが何であるか、何だと思われるのか
それがどのくらいの速度をもったものなのか、
規定できない

と思うんですけどね・・・