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2020年10月23日にわたしはそのメールを受け取った。もともとは@KCUAで開催されたイベントに出演したお礼の挨拶だとか、イベント中に言及した作品のリンクを送ったりだとかなんとかというやりとりであったのだが、「さて、いきなり別の話題なのですが、mamoruさんにご相談したいことがあります。」という見事な切り出しのもと、京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品活用展という枠組みを使ったプロジェクトを打診された。わたしとしてはかなり意外であった。その理由はまた機会があればお伝えするとして、なんせ不意打ちに近い感じ、と言ってもよいくらいだった、のでメールの主にその真意、というか詳細ですね、を確かめたところ「大学が持つ芸術資源(有形無形問わず)はどのように活用可能なのかを考えるためのシリーズで、極端に言うと持ってくるものは1点でも成立する、と思っています。」というような返信がありさらに驚いた、1点とは! と、同時に、これは面白いかもしれないという予感が走った。そのメールの主とのやりとりは続き「大学が持つ芸術資源」のより無形なものであると思われる「やってみる」みたいな大学が本来もっている「お仕事チックな"置きに行く"行為ではない」教育機関ならではのバッファを最大限に活かすことが下敷きになった末に(彼女は「第十門第四類」を作り出すプロジェクトの主要な一人のプレイヤーとなり、他のプレイヤーも加わり)今回のプロジェクトが「おそらく・・・」生まれたのだと思うとすでに感慨深い。

こういう符合する感は時にアイデアを横断する際のvehicle*になることがある。音楽的な時間の中で音程関係によって成るモチーフやリズムの構造が何かしらのまとまりを生み出すことがあるのと似ているだろうか。

*vehicle:
ve・hi・cle | víːək(ə)l, víːhɪ- |
〖語源は「運ぶ道具」〗
名詞複~s | -z | C⦅かたく⦆
1 乗り物, 車 (!通例陸上用でエンジン・車輪の付いたものをいう)
▸ motor vehicles
自動車(類)〘car, bus, truckなど〙
▸ a space vehicle
宇宙船
▸ four-wheel-drive vehicles
四輪駆動車
▸ an armored vehicle
装甲車
▸ a solar-powered vehicle
太陽電池式の車.
2 【目的達成の】手段, 方法; 【思想・考えなどの】表現手段, 伝達手段, 媒体 «for, of»
▸ a vehicle for self-expression
自己表現の手段
▸ Language is the vehicle of thought.
言語は思考の伝達手段である.

グルーヴ*(レコードの溝)は音の連なりが刻まれた「もの」であると同時に音の連なりを再生するものである様に、私が書く文字は、おそらく体験され、過ぎ去るものとして打ち込まれ、また体験され、過ぎ去るものとして再生され得る文体を目指す。これを「グルーヴ体」と仮に呼ぶ。

*グルーブ:
グルーヴに関する論考はCOMPOST 2020掲載の「あえて間違った読み方を」(石原知明)を参照した

造語的な努力、文体の揺らぎ、既存の作文プロトコルを疑い迂回路を求める本能、読点の多用で書き言葉のサステインペダルを踏み続け読み手が保持できる意味の時間性の破綻と構造のねじれを企図した上で、新たな意味再生を期待したり、そういうことがあってもなぜか読めてしまう響き・リズムとしての文体(あるいは歌・詩)や、(かっこ書きによるsuper imposition、というか俺的にはカウンターポイントかな)、も自分なりに培ってきたものだから。

全てを書き記すことは不可能だし、そもそも要請はされていない、要請されていないことをやってはいけないわけでもないし、規範なんて逸脱してナンボでもある、かといってコミュニケートしないことは何かまずい気もする。

ここでいうタクティクスはミシェル・ド・セルトーが「日常的実践のポイエティーク」の中で語った内容に感化されている。なんとかしてやっちゃう(手段をDIYしたりしつつ目的を達する)的なブリコラージュの作法・精神を参照して読んでもらえたなら、それに越したことはない。

〔アーカイヴ〕の沈黙/前言説性を聴く=理解する・しようとする|を準備し 用意する 眼差し|スケッチ|drawings|思片|メモ|ノート|発話|recordings|それらの〔残響〕

〔アーカイヴ〕の沈黙/前言説性を聴く=理解する・しようとする|を語らせようとするーactivationーを展示することでperformされ得る何かとは?

〔歴史〕は/を[記述する]

(2020年12月1日の〈思索の地図〉より)

mamoru〈思索の地図〉

2003年頃から自作・改造楽器やループサンプラーなどを使った即興演奏に取り組んでいた頃の音源や映像記錄が焼き付けられた数百枚のDVDに残っているありとあらゆるデータを足したとしてもそこまで変わるものではないだろう(が、あれもハードに移すのか? と思うことは、that's not the point、本筋から逸れる、という理屈で避けている)。