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ドミニク・レイマン 展 「遠くて、近すぎる」

ドミニク・レイマンは映像を用いながら、それをカンバスに投影したり、もしくは壁画のように壁全体に投影 する作品を発表してきた。また近年では、屋外で建物や公園、道などに投影するプロジェクトも続けてきている。 レイマンの作品にはしばしば、群衆が登場し、たくさんの群れ集う人々が俯瞰的に投影されることで、その個々の動きがまるで花が咲くように、異なる側面を見せるさまが映し出される。例えば2010 年の《基礎的諸相》では、 メッカを巡る巡礼者たちの様子が俯瞰され、エルサレムの嘆きの壁で祈る人々が鮮やかに、まるで流れの激しい 川のようにも見える。個々の具体的な形態が、集団となって象徴的・抽象的な形へと変化するのだ。2011 年の 《60 sec. Cathedral》では、レイマンはスカイダイバー達に依頼して、ロンドンの聖堂の星形のアーチを空に作っ た。アーチは60 秒ほど継続して、また個々の要素(人)へと散らばってゆく。個展タイトル「遠くて、近すぎる。 Far too Close」に示されているように、遠く離れてみて気づく風景と近景とが交錯し、また同時にミクロとマ クロの世界が暗示され、歴史や文化的な背景とイメージの世界とがクロスする深みが感じられる展示である。具 体的な人物などが登場しながらも高い象徴性をはらみ、今ここの出来事でありながらいつどこでもあり得る普遍 性を獲得する、その両者を行き来する往還運動の瞬間の緊張感が最大の魅力である。2011 年にベルリンのZak | Branicka ギャラリーでも同タイトルの個展が開催された。今回は京都と東京の2会場にて、それぞれの会場の 特性を生かし、空間や建築的特徴を巧みに生かしつつ同個展出品作品を二か所に分けて展示し、さらにワルシャ ワのオペラ劇場前で実施予定の最新のパフォーマンス映像も加えた構成である。レイマンはこれまで日本にて、 2005 年「Passages to Olymp」展(崇城大学ギャラリー、熊本)、2008 年「液晶絵画 Still/Motion」展(三重 県立美術館/ 国立国際美術館/ 東京都写真美術館)などのグループ展で作品を発表してきたが、今回は国内初の 個展開催となる。

他会場:
Yumiko Chiba Associates Viewing Room Shinjuku:2012 年3 月6 日(火)~ 3 月24 日(土) (営業時間:12:00-19:00 定休日:日、月、祝日)

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作家
ドミニク・レイマン
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
Gallery C
会期
2012年3月6日(火)2012年3月25日(日)
主催
Yumiko Chiba Associates
京都市立芸術大学加須屋研究室
協力
駐日ポーランド共和国大使館
Zak|Branicka ギャラリー(ベルリン)
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
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