SPECIAL EXHIBITIONS

ミヤギフトシ 個展

American Boyfriend: Bodies of Water

東京やニューヨークを活動拠点としてきたミヤギフトシの関西での初個展を開催。沖縄生まれの ミヤギが,セクシャル・マイノリティとしての自身のアイデンティティと向き合い,人種,国籍, セクシャリティなどをテーマに,写真,映像など多様な作品形態で展開するアートプロジェクト 「American Boyfriend 」の作品を中心に,代表作のひとつである映像作品《The Ocean View Resort 》のほか,新作映像作品《River 》,新作テキスト作品《Bodies of Water》を含む約18点を Gallery A,堀川団地(上京区西堀川通上長者町)の2会場で展示した。

  • 続きを読む
作家
ミヤギフトシ
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
堀川団地(2014年6月14日(土)–2014年7月27日(日)会期中の金・土・日のみオープン)
展示室
Gallery A
会期
2014年6月14日(土)2014年7月13日(日)
お問い
合わせ

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。

Artist Profiles

作家プロフィール

ミヤギフトシ
1981年 沖縄生まれ

東京在住。20歳のときにアメリカに渡り、NYのプリンテッドマターに勤務しながら自身の作家活動を開始する。
帰国後、青山のセレクトブックショップ「ユトレヒト」やアートブックフェア「THE TOKYO ART BOOK FAIR」のスタッフとしても活動しながら、創作を続ける。
著書・刊行物に「sight seeing」自費出版(2010)、雑誌「OSSU」自費出版(2011~2013 森栄喜、川島小鳥らと共同発行)、「new message」torch press刊(2013)。そのほか2014年からはユリイカ、新潮など文芸、批評雑誌へも寄稿をしている。

Installation Views

会場写真

Events

イベント

関連するイベント

PHOTOPHOBIA+American Boyfriend: Bodies of Water プレ・イベント+オープニングレセプション

日時: 2014年6月13日(金)18:00-19:00
場所:ギャラリー@KCUA
申込:不要
参加費:無料

18:00  プレ・イベント POD(Moderndog) Special Live & Chai Siri
アピチャッポン・ウィーラセタクン氏がミュージックビデオを手がけたこともあるタイのミュージシャンPODのライブを開催致します。アピチャッポン氏とコラボレーションをしているチャイ・シリ氏が当日の会場構成を手がけ、三木章弘氏(neco眠る)がドラムを演奏します。
19:00  レセプション

トーク&リーディングイベント「QueerとZineとArtと」

日時: 2014年7月12日(土)14:00-16:00
場所:Gallery A
申込:不要
参加費:無料

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、7月12日(土)14:00より、ミヤギフトシ「American Boyfriend: Bodies of Water」開催に合わせ、トーク&リーディングイベント「QueerとZineとArtと」を開催します。東京・青山のアートブックショップUTRECHTのスタッフ、そしてTHE TOKYO ART BOOK FAIRのマネージャーも務めるミヤギをホストに、@KCUAにて出展中のアートブックEurekaポップアップストア内にて、クィアの作家による出版物を手がかりとしながら、アーティストたちが「書籍」というフォーマットの中で繰り広げる表現を探ります。

20世紀中頃から、時にアンダーグラウンドで、時にゲリラ的に制作・発表され続けてきた、クィアの作家によるZineをみながら、書籍というひそやかなフォーマットがもつ豊かな可能性・拡張性についてみてゆきます。

(以下、ミヤギフトシ「日本とクィアな表現」より抜粋)
2000年代、BUTTをはじめとした、あっけらかんとした男同士の性表現を取り扱うクィア雑誌がブームとなりました。それらの雑誌はティルマンスらの有名写真家が写真を担当するなどして大きな注目を集めました。同じ時期、LTTRというZineをつくるレズビアンの作家たちは、ブルックリンのクィアアートムーヴメントの中心的な存在となり、日記、裁縫、料理、ファッションといった「女性的」とされている手法を自らの表現ツールとして再構築し、表現の域を押し広げました。当時のブルックリンでは、ポール・セプヤ(Paul Sepuya)やクリストファー・シュルツ(Christopher Schulz)ら、ゲイの作家たちもまたZineのフォーマットでパーソナルかつセクシュアルな作品集を発表しはじめています。

なぜ、クィアの作家達は印刷物を表現の第一手段としたのでしょうか。このムーブメントを纏めたカタログ「Queer Zines」の編者であるアーティストのAAブロンソンは、クィアZineの起源について、パンクやビート文化、さらに遡って、ヨーロッパのアナーキストたちによるアンダーグランドの出版文化を挙げています。それらは、密やかな場所から独自のネットワークを広げ、強烈な声を発してきました。Zineは、アンダーグラウンドの流通網を通して他者と交流する最良のツールでもあったのです。時を経て、地下に撒かれた種が地上に芽吹きます。Queer Zineの動きは欧米を中心に大きな盛り上がりを見せ、高い評価を得ます。BUTT Magazineなどはより広い流通網を手に入れることに成功し、アメリカのアート系書店では必ず目にする程メジャーな存在になりました。

ミヤギフトシ「日本とクィアな表現」
http://fmiyagi.com/lang/jp/archives/865

Zine: 多くの場合、少部数かつ自費で出版された小冊子を指す。コピー機で複製したものをホチキスで留めただけという簡素なものから、凝ったデザインやフォーマットをとるものなど、さまざま。

クィア: ここでは非異性愛者、彼女・彼らによる、もしくはそれにまつわる表現を指す。

  • 続きを読む