展示風景 撮影:大島拓也

SPECIAL EXHIBITIONS

タデウシュ・カントル生誕100周年記念事業

死の劇場——カントルへのオマージュ

演劇のみならず奇才の美術家でもあったポーランドの異才タデウシュ・カントルの生誕100周年を迎えるにあたり、彼の偉業を演劇・美術の双方からのアプローチで回顧する記念事業「死の劇場-カントルへのオマージュ」を開催した。

カントルは第一次世界大戦の最中に生まれ、第二次世界大戦中から芸術家としての活動を開始、早くから国際的に名声を確立した。特にカントルの作品に見られる高い象徴性、死の表象、日常性への下降とその逆説的な意味の転換、時にユーモラスに、時に諧謔的に社会を挑発し、公共空間へと挑む手法がポーランドのみならず世界的な美術や演劇活動に与えた影響は大きい。本展では、会場構成に建築家の松島潤平を迎え、カントルの写真、日本に残るドローイング作品とともにポーランドと日本の作家7名1組の展示を行った。また上演記録映像の上映会、関連シンポジウムやパフォーマンス等の試みを通じ、カントルの受容とこれからの未来へ向けた現代的継承の豊かな可能性を示した。

Culture.pl ウェブサイト

 

作家
アルトゥル・ジミェフスキ石橋義正オル太丹羽良徳パヴェウ・アルトハメル松井智惠ミロスワフ・バウカヨアンナ・ライコフスカ
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
@KCUA 1, 2, Gallery A, B, C
開催日数
32日間
(2015年10月10日(土)2015年11月15日(日))
企画
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
加須屋明子(京都市立芸術大学美術学部教授)
主催
京都市立芸術大学
共催
ポーランド広報文化センター
Culture.pl
京都芸術センター
助成
平成27年度文化庁「優れた現代美術の海外発信促進事業」
公益財団法人ポーラ美術振興財団
公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
公益財団法人花王芸術・科学財団
公益財団法人朝日新聞文化財団
協力
クリコテカ
タデウシュ・カントル財団
フォクサル画廊
シアターX(カイ)
MEM
石橋プロダクション
フォクサル・ギャラリー財団
京都芸術センター
KYOTO EXPERIMENT
テラヤマ・ワールド
<地球との対話>プロジェクト21
多摩美術大学
後援
駐日ポーランド共和国大使館
日本ポーランド協会関西センター
NPO法人フォーラム・ポーランド組織委員会
お問い合わせ
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-253-1509
メールでのお問い合わせは、
お問い合わせフォームからお送りください。

Installation Views

会場写真

写真:大島 拓也

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関連イベント

関連するイベント

タデウシュ・カントル研究会・第5回〈「死の演劇」をめぐるユダヤの表象〉

会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA GalleryA
日時:2015年2月22日(日) 14:00 – 16:00

 

タデウシュ・カントル研究会・第1回「カントル―私と絵画と演劇の三角関係」

第1回「カントル―私と絵画と演劇の三角関係」(パワーポイントと動画による入門編)
講師:関口時正(翻訳家・東京外国語大学名誉教授)
コメンテーター:加須屋明子(京都市立芸術大学美術学部准教授)

■ Tadeusz Kantor (1915-1990) タデウシュ・カントル

ポーランド生まれ。演出家・画家・造形作家。『死の教室』(1975)をはじめとする一連の舞台で20世紀後半、世界の演劇に大きな影響を与えた。主な作品に『芸術家よ、くたばれ』(1985)『私は二度と帰らない』(1988)など。

 ■ 講師:関口時正(Tokimasa Sekiguchi)

東京大学文学部仏語仏文学科卒業。ポーランド政府給費奨学生として同国クラクフ大学に留学。1992-2013東京外国語大学教員(ポーランド文化)。著書に『白水社ポーランド語辞典』(共編)、訳書に『ショパン全書簡 1816-1831年――ポーランド時代』(岩波書店・共訳)、J・コット『私の物語』(みすず書房)、J・イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)など。

会場:Ipe〒604-8381 京都市中京区西ノ京職司町67-15   1/8bldg. (ワンパーエイトビルディング)4F
日時:2014年6月29日(日) 14:00 – 16:00

 

KYOTO EXPERIMENT 2014 関連イベント

タデウシュ・カントル生誕100周年記念事業  プレイベント「レクチャー&シンポジウム」

レクチャー
日時:10月12日(日)18:30〜
講師:鴻 英良(演劇評論家)

シンポジウム
日時:10月13日(月・祝)17:00〜
パネリスト:
鴻 英良(演劇評論家)
やなぎみわ(美術作家)
相模友士郎(演出家)
加須屋明子(京都市立芸術大学美術学部准教授)

会場:京都芸術センター講堂    京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
日時:2014年10月12日(日) 18:30 / 2014年10月13日(月・祝) 17:00
参加費:各日500円

 

第6回タデウシュ・カントル研究会タデウシュ・カントル生誕100周年記念レクチャー&シンポジウム

第一部    レクチャー「タデウシュ・カントルの宇宙におけるオブジェ、マネキン、俳優たち」

ポーランドより演劇評論家、マウゴジャータ・ジェヴルスカ(MAŁGORZATA DZIEWULSKA 1944-)氏を迎え、タデウシュ・カントルの舞台芸術についてのレクチャーを実施します。

日時:2015年4月12日(日)15:00~16:30
場所:京都市美術館 PARASOPHIAルーム

第二部  シンポジウムと「死の教室」上映会

貴重なカントルの映像「死の教室」を交えながら、演劇作品に現れる音楽、美術的側面など多方面から考察し、現代的意義を探ります。

パネリスト:
山根明季子(現代音楽作曲家) やなぎみわ(現代美術家)
建畠晢(京都市立芸術大学学長(2015年3月末まで)/美術評論)
マウゴジャータ・ジェヴルスカ(演劇評論)
関口時正(東京外国語大学名誉教授)

司会:加須屋明子(京都市立芸術大学)
日時:2015年4月12日(日)17:00~19:30
場所:京都市美術館 前庭 ※雨天時にはPARASOPHIAルームにて開催
協力:Culture.pl

【講師・パネリストプロフィール】

マウゴジャータ・ジェヴルスカ Małgorzata Dziewulska (1944- )
エッセイスト、演劇批評家、演出家。1970年、プワーヴィ市に実験的演劇センター「ストゥディオ・テアトラルネ」をピョートル・チェシラクらと設立。つづいてイェジー・グロトフスキの「ラボラトリウム〔実験工房〕」に協力。1991–96年の間はクラクフ市の劇場「スターリ・テアトル」文藝部で、1997–2002はイェジー・グジェゴジェフスキが総監督を務めるワルシャワの劇場「テアトル・ナロドーヴィ〔国立劇場〕」文藝部長、2002–2007年間ワルシャワの劇場「テアトル・ドラマティチネ」教育プログラム制作責任者などを務めた。1980年代はクラクフ市の国立ヤギェロン大学演劇学講座で、1994–2009年間は国立ワルシャワ演劇大学演劇論学科で教鞭を執った。月刊誌『テアトル』『ディダスカリア〔ト書き〕』『レス・プブリカ』などを編集。演劇論として高い評価を得ているその著書には、『裏切られた盟約と演劇』 (1985)、『藝術家たち、巡礼者たち』(1995)、『もう一つの現存』(2009)がある。2010年にはルドヴィク・フラシェンについての記録映画を監督した。現在、国立演劇インスティテュートにおいて「カントル・セミナー」を主宰・指導、またカントルの生まれた町ヴィエロポーレにおいて、過去の記憶に関する調査を近年進めている。

山根明季子(やまね あきこ)
1982年大阪生まれ。音を視る、音で造形をデザインするというコンセプトで「ポップな毒性」をテーマに作品を描いている。京都市立芸術大学卒業、同大学院修了。ブレーメン芸術大学に派遣留学。日本音楽コンクール第1位、芥川作曲賞など受賞。2011年京都にて作品個展及びサウンドインスタレーションを行う。2012年2月福島、ニューヨーク及びワシントンでMFJ委嘱《水玉コレクションNo.13》上演、8月サントリー芸術財団委嘱の琵琶協奏曲《ハラキリ乙女》上演等。http://akikoyamane.com

やなぎみわ
1967年神戸生まれ、京都を拠点に活動。制服姿のエレベーターガールの写真シリーズなど、現代社会に生きる女性を扱った作品で90年代半ばから注目を集める。最初期の作品に案内嬢を使ったパフォーマンスがあり、その後の写真・映像作品にも演劇的側面は重要な作品要素であった。近年その演劇志向はより強まり、築地小劇場を題材とした演劇三部作『1924』(2011–12)が上演された。匿名の声というメディアに取り組んだ『ゼロ・アワー 〜東京ローズ最後のテープ〜』(KAAT神奈川芸術劇場、愛知県芸術劇場[あいちトリエンナーレ2013])を作演出。写真作品のモデルであった「案内嬢」は、劇中で狂言回しとして登場している。ヨコハマトリエンナーレ2014では、中上健次の『日輪の翼』を舞台化するための移動舞台車を発表。PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015では、台湾から横浜港へと輸入されたこの舞台車を引き継ぎ、制作・展示・パフォーマンス・演劇公演の実現を目指している。このプロジェクトは二つの国際展を横断するという画期的な試みとなる。www.yanagimiwa.net

建畠晢(たてはた あきら)
美術評論家、詩人。1947年京都生まれ。1972年に早稲田大学文学部卒業。多摩美術大学教授、国立国際美術館長などを経て、2011年より2015年京都市立芸術大学学長。専門は近現代美術。1990年、1993年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー、横浜トリエンナーレ2001、あいちトリエンナーレ2010のアーティステイック・ディレクターなどを務める。アジアの近現代美術の企画にも多数参画。詩人としての業績に、詩集『余白のランナー』(1991年、歴程新鋭賞受賞)、『零度の犬』(2005年、高見順賞受賞)、『死語のレッスン』(萩原朔太郎賞受賞)などがある。

関口時正(せきぐち ときまさ)
翻訳家。東大仏文卒。1975年、クラクフ市のヤギェロン大学留学中に『死の教室』初演を観る。1992~2013年、東京外大ポーランド学科でポーランド文化を教える。1994年セゾン美術館主催展覧会『タデウシュ・カントル 我が芸術=旅=我が人生』を監修・翻訳。著書に『白水社ポーランド語辞典』(共編)、カントル論2篇を含むエッセイ集『ポーランドと他者』、訳書に『ショパン全書簡 1816-1831年――ポーランド時代』(岩波書店・共訳)、J・イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)等がある。今秋『S・I・ヴィトキェーヴィチ〔ヴィトカッツィ〕戯曲集』を出版(未知谷)。

加須屋明子(かすや あきこ)
1963年兵庫県生まれ。1991年京都大学文学部哲学科博士後期課程修了、美学芸術学専攻。1989年より91年までヤギェロン大学(ポーランド)哲学研究所留学。国立国際美術館学芸課主任研究員を経て京都市立芸術大学美術学部准教授。専門は近・現代美術、美学。主な展覧会企画は「芸術と環境」1998年、「いま、話そう」2002年、「転換期の作法」2005年、「龍野アートプロジェクト」2011-14年など。主な著書は『中欧のモダン・アート』(彩流社、2013年、共著)、『中欧の現代美術』(彩流社、2014年、共著)、『ポーランドの前衛美術』(創元社、2014年)、『珠玉のポーランド絵画』(創元社、2014年、翻訳)など。

会場:京都市美術館
日時:2015年4月12日(日) 15:00 – 16:30 第一部 / 17:00 – 19:30 第二部

 

石橋義正 新作舞台公演 『ZERO ZONE』

人工知能は陸橋で積み木をつむデスか

日時:2015年10月17日(土)19:00、18日(日)14:00/17:00

*開場:開演の30分前。受付開始:開演の45分前
*17日(土)の回はアフタートークあり

会場:京都芸術センター 講堂
料金:3,000円(一般)/2,500円(学生)

*未就学児はご入場いただけません。
*25歳以下チケットは、公演当日受付にて要確認証提示。

構成・演出:石橋義正
ビジュアルデザイン:江村耕市、装置制作:安藤英由樹、照明デザイン:藤本隆行
出演:美波(俳優)、素我螺部・藤井b泉(ダンサー)、 素我螺部・宮原由紀夫(ダンサー)、
皆川まゆむ(ダンサー)、 山中雅博(テノール)、増田敏子(ピアノ)、天根静也(僧侶)

主催:京都市立芸術大学、有限会社石橋プロダクション
共催:京都芸術センター
企画・制作:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、有限会社石橋プロダクション

【発売中】チケット取扱:カンフェティ(http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=30704&

近日販売開始:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都芸術センター(窓口のみ、10:00-20:00)

【注意】※諸般の事情のため変更をする場合がございます。 詳しくはお問い合わせください。

 

石橋義正 Ishibashi Yoshimasa

京都市立芸術大学大学院修了。映画監督、演出家、映像作家として、映像作品やパフォーマンスなど幅広い分野で活動。マネキン家族のドラマ『オー!マイキー』がベルリン国際映画祭に招待されるなど国内外で高い評価を得る。とりわけ人間の身体とマネキンとが石橋の作品において接近する様や、テンポの早くユーモラスな表現とは、カントル的な表現の現代的継承の優れた一例である。劇映画『狂わせたいの』日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞受賞(1997)。TVシリーズ『バミリオン・プレジャー・ナイト』製作・監督(2000)。「キュピキュピ」を主宰し、テート・モダン(ロンドン)、パレ・ド・トーキョー(パリ)、ニューヨー近代美術館MOMAなど国内外の美術館で展示やパフォーマンスを行う。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で個展(2010)。パフォーマンス「伝統芸能バリアブル」(春秋座)では、女性たちによる古典芸能のステージに3D映像を使用して話題を呼んだ(2011)。PARASOPHIAでは新作『憧れのボディ/bodhi』を発表(2015)。常に最新のテクノロジー取り入れた実験的な映像、計算し尽くされた空間構成、美術、音楽、衣裳、ヘアメイク、特殊メイクと細部に至るまで、独自の美意識溢れる斬新かつ緻密な表現手法は、唯一無二である。

「死の劇場——カントルへのオマージュ」展 シンポジウム

Part 1「カントルの受容とその今日的継承」
スピーカー:アンナ・ブジンスカ(現代演劇論)、レフ・スタングレト(美術史家、タデウシュ・カントル財団代表、クリコ2俳優)、バルバラ・スタングレト(タデウシュ・カントル財団、クリコ2俳優)、ヨアンナ・ライコフスカ(本展出品作家)、加須屋明子(京都市立芸術大学教授、本展企画)

日時:10/10(土)14:30~18:00
会場:京都芸術センター 講堂
主催:京都市立芸術大学/共催:ポーランド広報文化センター、Culture.pl、京都芸術センター/協力:クリコテカ、タデウシュ・カントル財団、ポーランド外務省 /後援:ポーランド共和国大使館、日本ポーランド協会関西センター、NPO法人フォーラム・ポーランド組織委員会

Part 2「カントルと各文化圏における文学・演劇」
スピーカー:井上暁子(熊本大学准教授/ドイツ・ポーランド国境地帯の文学、移民文学研究)、加藤有子(名古屋外国語大学准教授/ポーランド文学、表象文化論研究)、伊藤愉(日本学術振興会/ロシア演劇史研究)、福田桃子(日本学術振興会/フランス小説、演劇研究)、丹羽良徳(本展出品作家)、加須屋明子(京都市立芸術大学教授、本展企画)

日時:11/14(土)14:00~17:40
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
主催:京都市立芸術大学/共催:ポーランド広報文化センター、Culture.pl、日本スラヴ学研究会/協力:クリコテカ、タデウシュ・カントル財団/後援:ポーランド共和国大使館、日本ポーランド協会関西センター、NPO法人フォーラム・ポーランド組織委員会

 

「死の劇場——カントルへのオマージュ」展 ギャラリートーク
オル太パフォーマンス「目覚め(GHOST OF MODERN)」
オープニングレセプション

会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
日時:10月11日(日)16:00〜(パフォーマンスは17:00〜17:30、18:30〜19:00)

 

タデウシュ・カントル関連作家上映会

「オー!マイキー スペシャル・エディション 上映&トーク」
日時:10/12(月・祝)19:00〜20:30
会場:京都芸術センター 講堂
スピーカー:石橋義正(監督)、 橋本裕介(KYOTO EXPERIMENTプログラムディレクター)
主催:京都市立芸術大学 共催:京都芸術センター

松井智惠映像上映会&トーク
Aプログラム(計約65分)
“Heidi 45”2005, “Heidi 46 – brick house”2006, “Heidi 46 – hair”2006, “Heidi 47 – being”2007
Bプログラム(計約65分 ) “Heidi 49 – river”2009 , “Heidi 53 – echo”2013, “Heidi 54 – Purucha”2014
日時:10/24(土) A: 11:30~/13:50~/16:10~ B: 12:40~/15:00~/17:20~
トーク17:30~
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

 

タデウシュ・カントル関連映像上映会

『死の教室』
1976年/75分/アンジェイ・ワイダ撮影/TVP/字幕翻訳 関口時正
日時:10/10(土)13:00~
会場:京都芸術センター 講堂
カントルの代表作の一つ、世界中で1500回以上演じられた。初演は1975年11月15日。失われた幼年時代や記憶に基づく物語であり、誰もそこに戻ることはできない。古びた木製の机や椅子の並ぶ狭い教室へ、老いた生徒らが自らの分身である人形を携えて入ってくる。かつて流行ったワルツ・フランソワが繰り返し流れ、第一次世界大戦の開幕を告げる新聞が読み上げられる。カントル自身の記憶と、ユダヤ人が第二次世界大戦中に蒙った悲劇とが重なりつつ示される。

クリコタージュ『こぞの雪は今いずこ』
1984年/33分/アンジェイ・サピヤ撮影/WFO
日時:10/23(金)15:00~/17:20〜
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
カントルによるコメント:「クリコタージュは、劇団クリコ2の経験と、この劇団によって考察、実践されてきた演技法とから派生したある種の活動である。クリコタージュは、ハプニングではない。つまり、ハプニングが持つ、観客の参加を受け入れることのできるような「開かれたかたち」を持たない。クリコタージュは、今日世界中に普及した「パフォーマンス」ではない。パフォーマンスでは、ほとんどの場合、現実の空間において、それぞれ固有の生物学と自然を持った人間の肉体を通じて、純粋主義的かつ抽象的な志向を表そうとする。その純粋主義的な志向を、生物学的、感情的、心理的、幻惑的な「不浄な」状態が持つ危険から守ろうとして-「パフォーマンス」は最小限の意味性をめざそうとする。発明された当初大きな意義を持っていたこの最小限の意味性は、時が経つにつれて―濫用の場となり、一切のリスクなしに適用されるどこにでもある手法となってしまった。クリコタージュは、感情的な状態や強い緊張を放棄しない。クリコタージュは、あらゆる「ストーリー」の制約から解き放たれたリアリティ[そのもの]を扱う。想像力によって切り取られてきた、あらゆる因習や[健全なる]良識をあざ嗤う」。(関口時正訳)

「ヴィエロポーレ、ヴィエロポーレ」
1983年/86分/スタニスワフ・ザヨンチュコフスキ撮影/TVP/字幕翻訳 津田晃岐
日時:10/23(金)15:40~/18:00~
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
初演は1980年6月23日、フロレンス(イタリア)にて。舞台はカントルの故郷、ヴィエロポーレ・スクシンスキェの教区教会。司祭はカントルの祖母の兄弟、ユゼフ・ラドニェヴィチ神父であった。この町でカントルの両親が出会い、彼が誕生し、6歳までを過ごした。第一次世界大戦に従軍した父、マリアン・カントルが軍服姿で前列に座る集合写真のイメージからこの物語は出発している。撮影のためのダゲレオタイプのカメラがマシンガンに変化する。カントルの幼少時の記憶において、強烈な印象を残したのは司祭の死である。司祭館の彼の部屋にて不慮の事故で息を引き取った司祭の裸の足は彼の目に焼き付いた。「想像力の小部屋」でカントルの親族たちを巡って起きる様々な事件は、多くの比喩に満ち、キリストの受難とも重なりながら戦争や死の記憶を蘇らせる。

「くたばれ!芸術家」
1986年/77分/スタニスワフ・ザヨンチュコフスキ撮影/TVP
日時:10/25(日)13:00〜/16:00〜
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
初演は1985年ニュルンベルク、ドイツ。タイトルは、カントルがよく口にしたエピソード、パリの画廊の入る建物の隣人が建て替えに同意せず、抗議の意味でよくこう叫んでいた、ということに由来する。また、ドイツの高名な彫刻家、ヴィト・シュトフォシュ(1450頃-1533、クラクフ中央広場の聖マリア教会聖堂内の木彫祭壇制作などで知られる)が、故郷ニュルンベルクへ戻った際、偽造のため罰せられて両頬に焼き印を押された、という事件に想を得ており、カントルはここから芸術家と社会との軋轢、葛藤、対立というテーマを導いた。また「レビュー」という副題を持つこの作品では、子ども時代の思い出、過去の記憶、死と埋葬、ヴィト・シュトフォシュへの連関などが見られる。

「私は二度とここには戻らない」
1990年/81分/アンジェイ・サピヤ撮影/TVP/字幕翻訳 津田晃岐
日時:10/25(日)14:30〜/17:30〜
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
「私は二度とここには戻らない」は、カントルがクリコ2と共に仕上げた最後の演劇作品となった。初演は1988年4月23日ミラノ。これ以前の作品のようにカントルが舞台に存在するだけでなく、カントル自身が「私」の役割を演じている点で注目される。カントルの過去の演劇作品の様々な場面の引用からなる記憶のコラージュ作品でもある。俳優たちは演劇の中で役割を変えてゆく様子は、カントルが戦争中に上演した「オデュッセウスの帰還」を連想させる。カントル自身の録音された声で、オシフィエンチム強制収容所での父の死について語られる。カントルの演劇作品の総集編とも呼べる。

「今日は私の誕生日」
1991年/77分/スタニスワフ・ザヨンチュコフスキ撮影/OTV
日時:11/3(火・祝)13:00〜/16:00〜
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
1990年12月8日、クリコ2による初演を目前にして最後のリハーサル後にカントルは倒れ、そのまま帰らぬ人となった。劇中でカントル自身が「想像力の貧しい小部屋」の主を演じ、彼の75才の誕生日を祝うはずだった。彼の没後、1991年1月にトゥルーズとパリにて初演。カントル自身の生い立ち、記憶、家族や友人たちの登場する自伝的要素の強い作品である。また、自身の絵画作品についても初めて演劇の中ではっきりと取り上げた。舞台は画家のアトリエであり、自画像を描くように演劇が進行し、カントル自身が録音した、テキストを読み上げる声が俳優の声と重複する;「私は再び「舞台にいる」。あなた方にも私自身にも、この習性をはっきりと説明することは決してできないだろう。実際のところ、これは舞台ではなくて境界なのだ」。カントル亡き後に演じられた舞台では、カントルの代わりに椅子が一脚置かれていた。

「カントル」
1985年/75分/アンジェイ・サピヤ撮影/TVP/WFO
日時:11/3(火・祝)14:30~/17:30〜
会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
カントルの生涯を紹介するドキュメンタリー。カントル自身へのインタビューも交えながら、美術、演劇、ハプニングなど様々な分野を往還しつつ活躍したカントル像に迫る。75分の映像から16分を抜粋編集したクリコテカによる要約版は展覧会場にて上映中。

【関連イベント】
16th MEDIA ART BIENNALE WRO2015 TEST EXPOSURE
日時:11/3(火・祝)(ループ再生)
ポーランド、ブロツワフメディアアートセンターにて隔年開催されている「WROメディアアート祭」2015のアーカイブ映像を上映します。