ジョーン・ジョナス《Reanimation》(2010/2012/2013)撮影:来田猛

SPECIAL EXHIBITIONS

ジョーン・ジョナス京都賞受賞記念展覧会

ジョーン・ジョナス「Five Rooms For Kyoto: 1972–2019」

ジョーン・ジョナスは、その長きにわたるアーティスト活動を通じて、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、複数のメディアを融合させた表現を追求してきた。テーマを世界の情勢によって少しずつ変化させながら、重層的かつ詩的な構造を持つ作品を、83歳となった現在もなお精力的に発表し続けている。

大学で彫刻と美術史を学んだのち、パフォーマンス作品を手がけるようになったジョーン・ジョナスは、1970年に日本を訪れて能や歌舞伎を鑑賞し、その完成度の極めて高い視覚言語に感銘を受ける。この経験と、同じく日本滞在時に購入したソニーのポータパックというビデオカメラの二つは、ジョナスのその後の作品を大きく変えることとなった。ニューヨークに帰国してすぐ、ジョナスは購入したてのカメラを繋いだモニターを鏡に見立て、その前で即興パフォーマンスを行う自身の姿を録画する。この最初のビデオテープが、ジョナスの動作を、ライブ、モニター、プロジェクションで同時に鑑賞するという画期的な形式のパフォーマンスOrganic Honey’s Visual Telepathy (1972)に発展していった。

本展では、この1972年から今日に至るまでのジョナスの業績を、今回のために特別に構成された5つの部屋で辿る。《Reanimation》(2019年12月12日にロームシアター京都にてパフォーマンス版を上演)、《Lines in the Sand》といった2000年代以降の代表的なインスタレーション作品、作家活動初期のビデオ作品、最新作の《Moving off the Land II》にあわせて、会場となる@KCUAが大学の機関であることから教育者としてのジョナスの一面にも焦点を当て、貴重な教育資料など(一部世界初公開)も紹介した。

 

*2020年6月に記録集を刊行

展覧会特設サイト(開催当時のもの)
https://gallery.kcua.ac.jp/joanjonas/

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作家
ジョーン・ジョナス
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
@KCUA 1, 2, Gallery A, B, C
開催日数
39日間
(2019年12月14日(土)2020年2月2日(日))
主催
公益財団法人稲盛財団
京都市立芸術大学
企画・制作
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
企画協力
ロームシアター京都
お問い
合わせ

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-585-2010
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Artist Profiles

作家プロフィール

ジョーン・ジョナス(Joan Jonas)
1936 年ニューヨーク生まれ、同市在住。1960年代後半にパフォーマンスとビデオを融合させた新しい表現形式を創始する。この領域における先駆者の一人であり、現在もパフォーマンスと新しいデジタルメディアとの関係を探求し続けるアクティブな芸術家として、高い評価と尊敬を集めている。
世界各地の美術館での個展・パフォーマンスのほか、ドクメンタなどの国際展、企画展に多数出品している。第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2015)にアメリカ館代表として参加。2018年にはロンドンのテート・モダンで大規模な回顧展が行われた(3月–5月。2019年5月–9月にポルトのセラルヴェス現代美術館に巡回)。2019年、TBA21–Academy(ヴェネツィア)からのコミッションにより、第58回ヴェネツィア・ビエンナーレの同時開催展として開催された「Moving Off the Land II」では、近年の海洋環境をテーマにしたインスタレーションとパフォーマンスを発表するなど、旺盛な活動を行っている。

Installation Views

会場写真

  • ジョーン・ジョナス《Reanimation》(2010/2012/2013)撮影:来田猛
  • 《Lines in the Sand》(2002)撮影:来田猛
Room 3 Organic Honey 展示風景/撮影:来田猛
《Moving off the Land II》(2019)撮影:来田猛
  • Room 5 Teaching 展示風景/撮影:来田猛

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