"Beechcraft Model 18, 1941" by Joseph Gabriel, paper, sheet sticker, wood, 41.5×30.5×6 cm
(mamoru《THE WAY I HEAR/LAKWATSA, Manila 2013》より)

SPECIAL EXHIBITIONS

mamoru「おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)」

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2023年のキャンパス移転に向け、京都市立芸術大学(京都芸大)では、本学独自の「知と創造のありか」を探求し、教育・研究・創造の連携を図るための議論を進めています。京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、移転後の大学の活動を念頭に置いたプログラムの一つとして、本学芸術資料館が有する芸術資料を新たな視点から調査・研究・活用することを目指した実験的な展覧会に取り組んできました。それらの展覧会で試みてきた芸術資料の「活用」に共通するのは、資料が収蔵されてから現在に至るまでの、収蔵品の背景にある/あった物事を推察し、そこから新たな語りのあり方を探ろうとする姿勢です。

 2021年度は、想像を喚起する言葉やイメージ、そして歴史の中に埋もれてしまった小さな出来事に意識を向けて、全感覚を傾けそれを聴き、探究するアーティストのmamoruと協働し、〔アーカイヴ〕の声を聴き、考察することを試みます。

 3ヶ月にわたって続くこのプロジェクトは、芸術資料館収蔵品活用展「第十門第四類」から始まります。「第十門第四類」とは、明治期から続く図書台帳の「第十門」(粉本類)の「第四類」として分類された写生用手本画を指します。学校の創立当初、教材として活躍したこれらの手本画は、教育方針の変化とともに実用されることが少なくなり、第二次世界大戦後の昭和26年の再分類時には図書台帳から「割愛」されます。やがて昭和57年に本学所蔵の芸術資料の再整理が始まると「第十門第四類」を含む非現用資料も博物館資料として登録され、歴史を考察する上での研究対象となってその価値、役割が変化していきました。「第十門第四類」では、これら資料にまつわるエピソードを、mamoruが本プロジェクトのために制作した〈思索の地図〉にある、〔歴史〕を〔記述〕しようとするために〔アーカイヴ〕を〔聴く〕という行為のある一つの形だと捉え、資料とその保存の歴史に着目します。

 続いて実施される、mamoru「おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)」では、展覧会場と特設ウェブサイトの2箇所で資料に誘発される「思索」の視覚化を試みます。展覧会場では「第十門第四類」を引き継ぐ形で会場にmamoru の「アーティスティック・リサーチ」の〔アーカイヴ〕が入り込み、特設ウェブサイトではハイパーリンクテキストを主体にWebのフォーマットならではの手法で連鎖的に、会期を三つに分けたphaseごとにそのビジュアルを変化させていきます。これは、資料を用いた新たな語りの可能性を探求しようとする思索の有様が視覚化された、絶えず動き続ける「何か」であり、@KCUAの展示空間とウェブサイトとの二つの場を舞台として上演されるパフォーマンスであり、さらにパンデミック以降に起こった展覧会やアーティストのリサーチのあり方の変化に端を発する、実際の展示室およびオンラインにおける展覧会の「オルタナティブ」の形の探究でもあります。物質的な資料で構成される展示空間と、非物質的な資料で構成されるウェブサイトという二つの「何か」は、互いに作用したり、離れたりしながらも常に変容しながら新たな言説(あるいは設問?)を展開させます。


おそらくこれはスケジュールであり、スコアでもある(のか?)/mamoru

(2022年3月1日アップデート版)

 

phase (0以前から)0(から1へ)414–

京都市立芸術大学芸術資料館収蔵品活用展「第十門第四類」を引き継ぐ(とは?)準備として、

・12月11日以降:展示空間には「プロジェクト開始前」という胎動が持ち込まれ、その実プロジェクトは(とっくの前から、つまりphase 0以前が存在する)開始されていて、0から1へと向かっているから、その間に得た(る)考察、本プロジェクトを体現する方法・技法に関する思索、実験を起点にしたハイパーテキストをマテリアルにWeb空間の試験運用、それを経つつさらにphase 1へと向かう様がしれっと公開される。

 

phase (0以前から)1(から2へ)438–

前のphaseで進め、深めた考察と、様々な資料やリサーチを通じ、過去のある場面における音風景を再生するなどしてきた「THE WAY I HEAR」シリーズ、を通じて取り組んできた想像で行うリスニング、を生み出す音的な記述、に関する考察を起点に、特に各プレイヤー間におこっているインタープレイとフィードバックの記録をどうするのかという点に留保しつつ、

・1月4日(第一火曜日):mamoruよりハイパーテキストがGoogleドキュメントにアップされ、現時点以前のphase中のやりとりなどを受けた上でのプロジェクト・アップデートがアナウンスされる。空間が再公開され、1月11日の設営作業に関する発表がある。

・1月11日(テキストアップ後の@KCUA休館日):設営作業を実施する。他のプレイヤーの作業も上の期日を目安にすすめる。

*実作業が間に合わない場合は、少なくとも各プレイヤーはそのリアクションと今後試そうと思ったことと意図などを共有する。

・1月12日以降:変化した空間を受け、各プレイヤーからフィードバックがあり、次のphaseに関する方向性あるいは予感が交換醸成され、随時、空間・紙媒体・Webにアップされることもある

・phase移行前後にphase (0以前から)1(から2)に関してのレポートがアップされる。

 

phase (0以前から) 2(から3へ)467–

前のphaseから続く思索、試作、思考、試行、錯誤、実験、考察を起点にしつつ、実現・実装にいたっていないアイデアをなんとかして、空間、紙媒体、Webに反映させることを目標に、

・2月1日(第一火曜日):mamoruよりハイパーテキストGoogleドキュメントにアップされ、プロジェクト・アップデートが伝達されるかもしれないが、必ずしもハイパーテキストのアップデート版が公開され、2月7日の設営作業に関する発表があるわけではない。

・2月7日(テキストアップ後の@KCUA休館日):設営作業を実施する。

・2月8日以降:一連の変化を受け、各プレイヤーからフィードバックがあり、次のphaseに関する方向性あるいは予感が交換醸成され、随時、空間・紙媒体・Webにアップされる。

phase移行前後にphase(0以前から) 2(から3)に関してのレポートがアップされる。

 

phase (0以前から)3(からどこへ?)494–

今回のプロジェクトは「何(だったん)だ?」と、最終的な考察をしつこく行う、が(あるいはそれによって)極力、断定的な振る舞いは回避、保留され、結論はどこまでも先送りされることが告げられる(んじゃないかと現時点では思っている)、だろうという考察を起点に、しつつ、当初、

・3月15–21日(プロジェクト最終週):ハイパーテキスト、空間(も適宜)の両方が日々アップデートを行うかもしれない。ひょっとすると現場にmamoruが入り、滞在するのだろうか? 関連動画はどんどんアップされ? 積極的に公開される?(としたら、何だ?)

としていたが、むしろmamoruはテキスト各種を3月1ー7日に書き上げ、プレイヤー達と共有し、そこから何かが生まれるかもしれない最低限の時間を確保することを目指すということ。また3月7日前後に、@KCUAの1,2階展示室空間、特設Webサイト、紙媒体の全てがアップデートされるだろうこと。また、非公開ではあるが3月14日の休館日に全プレイヤーが@KCUAの空間に集合し様々なフィードバックがなされ、その様子が撮影されるだろうこと。14日の全プレイヤーミーティングの際に新たな動きがあるかもしれない、とは思いつつも、余程ことが無い限りは最後の1週間ほどはこのプロジェクトの余韻を響かせようと思っている、のでmamoruが滞在したり動画のアップはないだろうな、ということ。そしてやはり

・3月21日(プロジェクト最終日)以降:全くの未定、ということだけは決定している。


出演:

mamoru:今回のプロジェクトの発案者。プロジェクトの発信源となるハイパーテキストの執筆者。そのテキストは転じて各プレイヤーに向けた投げかけでもあり、時にはスコア的なものにもなっているので、いわばコンポーザー的バンドリーダー的な役割のプレイヤー(相当な部分が各プレイヤーにゆだねられているため、プロジェクトを「私の作品」のようには考えていない)。2階のシアタールームの映像出品者。

池田精堂:会場を舞台に設営作業=展示技術を用いたパフォーマンスを行う。

仲村健太郎、小林加代子(Studio Kentaro Nakamura):特設ウェブサイトならびに関連資料のデザインを担当。

松本久木(有限会社松本工房):「第十門第四類」のフライヤーならびに@KCUA会場のビジュアルデザインを担当。

藤田瑞穂(@KCUA):「第十門第四類」構成、各フェーズでの変化に伴ってアップされるテキストと記録、プロジェクトの企画・運営を担当。

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作家
mamoru
会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
展示室
@KCUA 1, 2
会期
2022年1月4日(火)2022年3月21日(月)
企画
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
主催
京都市立芸術大学
助成
公益財団法人野村財団
お問い
合わせ

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
Tel: 075-253-1509
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Artist Profiles

作家プロフィール

mamoru(まもる)
mamoru(まもる)
1977年大阪生まれ。2001年ニューヨーク市立大学音楽学部卒業、2016年ハーグ王立芸術アカデミー/王立音楽院・大学院マスター・アーティステック・リサーチ修了。平成27年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。主な展示に「第10回恵比寿映像祭「インヴィジブル」」(東京都写真美術館、東京、2018)、「他人の時間」(東京都現代美術館、東京、2015/Queensland Art Gallery、ブリスベン、2016)、「MEDIA ART/KITCHEN, SENSORIUM」 (アヤラ美術館、マニラ、2013)、「虹の彼方 こことどこかをつなぐ、アーティストたちの遊飛行」(府中市美術館、東京、2012)、「再考現学/Re-Modernologio」(青森国際芸術センター、青森、2011)など。

www.afewnotes.com

Installation Views

会場写真

  • phase(0以前から)1(から2へ)
  • phase(0以前から)2(から3へ)
  • phase(0以前から)3(からどこへ)
  • 撮影:来田猛

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動画